iDeCoで老後にそなえよう

老後の生活を不自由なく、快適に送るためにはどうすればいいのか?
そんな悩みを解決するために公的年金の他に将来に向けて自分で年金を作るという制度があります。

それが個人型確定拠出年金(iDeCo)です。

iDeCoは2001年に作られた私的年金で、自身の資金を毎月一定額拠出し、自分の考えで老後に向けて資産運用を行うことが出来ます。

加入できる年齢は原則60歳までで、拠出できる金額は職業等により変動します。自営業や・学生等の方は月々68,000円まで拠出することができ、会社員の方で勤務先に厚生年金基金、確定給付年金、企業型DC、年金払い退職給付のいずれの制度も無い場合、掛金の上限は月当たり23,000円まで拠出できます。

また2017年より専業主婦・主夫の方や、公務員の方も加入することが出来るようになりました。専業主婦・主夫の方は掛金を月額23,000円まで拠出でき、公務員の方は掛金を月額12,000円まで拠出することが出来ます。

【拠出できる金額例】

このiDeCoですが、最大の特徴は税制のメリットが大きいという点があります。

まず月々拠出した掛金ですが、これは所得控除を受けることが出来ます。そして、運用先で利益が出た場合の運用益も非課税となります。最後に受け取る際ですが、退職金控除や年金控除等を活用することが出来ます。

このようにiDeCoは政府が後押ししていることもあり多くのメリットを享受することが出来るのです。

しかしながら、iDeCoにはデメリットもございます。主なデメリットですが、まず選択できる運用先が非常に少ないという点です。例えば比較的運用先の多い楽天証券でも預金、投資信託31本の中からしか選ぶことが出来ません。そして最大の難点は原則60歳まで換金することが出来ないという点です。これは例えば「子供が私立の大学に行くことになったから」とか「病気で会社を休職することになった」といった場合でも年金を取り崩すことが出来ません。これはあくまでも将来の年金を形成するものであるため、途中換金をすることが容易にできなくなっているのです。

そのためiDeCoに加入する際は無理に拠出できる満額を拠出するのではなく、余剰資金を拠出するのが大事になります。

iDeCoは換金性等に制限がありますが、税制のメリットを受けられることから、老後の備えとして加入する人が増えてきています。特に2017年より加入者数の対象が大きく広がったことから、加入者が大幅に増加しました。

ではiDeCoに加入するとどのくらいの税制メリットがあるのでしょうか?次の3つのケースでそれぞれ60歳まで拠出した場合についてご説明いたします。

①年齢50歳 会社員 年収700万円 月々23,000円の掛金
②年齢40歳 公務員 年収600万円 月々12,000円の掛金
③年齢35歳 専業主婦・主夫 年収0万円 月々 20,000円の掛金

まず①の50歳で会社員の方ですが、月々23,000円拠出すると年間で276,000円拠出することになります。その場合年間約82,800円の節税効果があります。これを60歳まで続けると合計で2,760,000円拠出することになり、約828,000円の節税効果があります。

次に②の40歳で公務員の方ですが、月々12,000円拠出すると年間で144,000円拠出することになります。その場合年間約28,800円の節税効果があります。これを60歳まで続けると合計で2,880,000円拠出することになり、約576,000円の節税効果があります。

最後に③専業主婦・主夫の方ですが、実はこのケースは確定拠出年金のメリットをほとんど受けることが出来ません。所得控除は所得にかかる税金を控除するので、所得がない場合にはいくら所得控除を申請しても返ってくる税金がないのです。運用益にかかるはずの税金がかからないという点はメリットかもしれませんが、資金を拘束してしまうデメリットがあるため、このケースであればつみたてNISA等を初めに活用していただいた方がいいかもしれません。

NISAの投資レポートはこちら

さて、それでは60歳になり、長い期間をかけて作り上げた自身の確定拠出年金を受け取る際はどうすればよいのでしょうか?

確定拠出年金の受け取りは、主に一括で退職金として受取る方法か、年金として毎年少しずつ受取る方法、もしくはその両方を合わせる方法があります。

退職金として受け取る場合は退職所得控除を活用することができます。しかし、ここで気を付けなくてはいけないポイントは、現在の勤務先から多くの退職金を受け取る予定がある場合です。既に退職所得控除を使用している可能性があり、所得税がかかる場合があります。

【退職所得控除額の計算方法】

勤続年数退職所得控除
20年以下40万円×勤続年数(iDeCoは加入年数)
20年以上800万円+〔70万円×(勤続年数-20年)〕

そして、年金として受け取る場合は公的年金控除を活用することが出来ます。

年金は60歳から64歳までは年間70万円、65歳以降は年間120万円まで非課税となります。近年公的年金を65歳からの受け取る方が増えているため、公的年金の受け取りを65歳からと考えている方は60歳から64歳までの年金控除の枠を全て活用することが出来ます。

【公的年金控除額の計算方法】

公的年金等の収入金額公的年金等の控除額
65歳未満130万円未満70万円
130万円以上410万円未満(年金収入×25%)+37万5000円
410万円以上770万円未満(年金収入×15%)+78万5000円
770万円以上(年金収入×5%)+155万5000円
65歳以上330万円未満120万円
330万円以上410万円未満(年金収入×25%)+37万5000円
410万円以上770万円未満(年金収入×15%)+78万5000円
770万円以上(年金収入×5%)+155万5000円

ご自身の状況によってどの受け取り方が有利になるかは異なります。例えば退職金控除枠に余裕があるようであれば一時金で受け取るという方法が有利になる場合もありますし、iDeCoの受取金額が多くなく、公的年金を65歳から受け取る予定の場合は64歳まで年金として受け取るという方法もございます。

iDeCoは制度が少し複雑ですが、公的年金だけでは到底余裕のある老後を過ごすことが出来ない今、少しずつ将来に向けた運用を始めてみませんか?

※本レポートの内容はあくまでも2019年6月現在の試算であり、将来税制等が変わる場合があります。また、個人の状況等により実際の節税額とは異なる場合があります。節税できる金額の算出に当たっては、第2号被保険者の方の給与所得控除のみ収入金額から控除し、それ以外の控除は、お客様により適用可能な控除や控除金額に違いが生じるため考慮しておりません。税制に関する事項については、最寄の税務署や税理士等の専門家にお問い合わせください。

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・株式会社SBI証券/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者
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