TOPIXと日経平均株価が乖離する理由

TOPIXと日経平均株価が乖離する理由

 よくテレビ等で「今日の日経平均は~」等とよく聞きます。これは日経新聞社が東証一部上場銘柄のうち取引が活発で流動性の高い225銘柄を選定し算出している日経平均株価という指数のことです。日本を代表する指数は他にもありTOPIX(東証株価指数)も有名です。こちらの指数は東京証券取引所が毎営業日に1秒間隔で算出・発表しており、東証一部の全銘柄の時価総額(銘柄ごとの株価に浮動株比率を反映した上場株式数を乗じて算出)を基準時価総額で割って計算しています。

 どちらも東証一部上場の銘柄から算出されているため互いの相関性は高く、日本の株式市場の状況を表していると言われています。

 しかし、度々話題になるのがこの2つの指数の乖離です。例えば2020年3月19日ですが日経平均株価は-1.04%、TOPIXは+0.97%と大きな乖離が生じました。

 なぜ相関性の高いはずの2つの指数にこれだけの乖離が生じるのか?今回はこの2つの指数についてご説明いたします。

TOPIXの算出方法

 TOPIXは東証一部に上場するほぼ全ての銘柄を反映しています。指数の算出方法はその会社ごとの時価総額をベースにし、1968年1月4日の数値を100として算出します。また、この時価総額は大株主等の安定株主の保有株数を除いた「浮動株数」で算出されます。つまり浮動株比率が高い(かつ時価総額が大きい)ほど指数に与える影響が大きい傾向にあるのがTOPIXとなります。

日経平均株価の算出方法

 TOPIXとは違い日経平均株価の算出方法は全ての価格の平均という考え方に近くなります。計算方法は日経平均株価採用銘柄の合計株価を除数(27.760:2020年4月20日現在)で割ることで求められます。しかしこの数式ですと採用銘柄の変更や株式分割時に値段が変わってしまうので除数を調整して正しい指数へと修正しています。

 次に日経平均株価採用銘柄の株価についてもみなし額面によって調整されます。現在の株式市場には存在しない額面ですが、以前は株式ごとに額面が決められており、20円、50円、500円、50000円の4種類の額面がありました。当然それぞれの額面によって株価は大きく異なったため、そのまま単純に平均してしまうとそれだけで大きな差になってしまうことから額面を全て50円に統一したとして株価の平均を出すことで平均株価としての歪みを解消させました。

 しかし調整が行われたとはいえ、指数自体が時価総額を考慮していないため、調整後の株価が高ければ時価総額がそこまで大きくなくても指数に対する寄与度が上がってしまうということになります。

寄与度の比較

 上記でご説明した通り、指数ごとでどの銘柄がどの指数に影響を与えるかが大きく変わります。例えば日経平均株価に大きな影響を与える銘柄としてファーストリテイリング・ソフトバンクグループ・東京エレクトロン等になり、この3銘柄だけで全体の構成比率が18%弱となります。一方時価総額が高いけれど構成比率の低いみずほFGの構成比率は0.02%程度の構成比率となっています。

 これは例えばファーストリテイリングの株価が1日で1%上昇しただけで日経平均株価は17円程度上昇します。一方みずほFGの株価が2倍になったとしても日経平均は4円程度しか上昇しないことになります。

 このように一部の企業の構成比率が高いので、その一部の価格が動くだけで指数全体が動いてしまうことがあるのです。

 一方TOPIXの場合は日経平均株価と違い時価総額をベースとしているので一部の企業の株価が指数全体に影響を与えるということが少ないです。

NT倍率

 日経平均株価は全体の時価総額に対してハイテク銘柄の寄与度が高く、一方TOPIXは自動車や銀行関連銘柄の寄与度が高くなるため、TOPIXと日経平均のどちらが強いかでどの業種が強いかの判断材料になることがあります。

 日経平均株価とTOPIXのどちらが強いかを判断する指標として「NT倍率」があります。NT倍率のNは日経平均株価、TはTOPIXのことで日経平均株価をTOPIXで割ることで求められます。つまりNT倍率が高いと日経平均株価が強く、NT倍率が低いとTOPIXが強いということになります。

 リーマンショック以降NT倍率はずっと右肩上がりとなっており、ファーストリテイリングやソフトバンクG等の株価が日経平均株価を押し上げていることがよくわかります。

 株式指数は全体の相場環境を表します。 上下に大きく動く今だからこそ、指数に惑わされることなくしっかりと冷静に投資判断を行う必要があります。


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