(NISA口座)配当金の受取方法を間違えると非課税にならない!?

株式の配当金を非課税で受け取るためNISA口座を利用する個人投資家も多いのではないかと思います。
配当金の受取について注意していただきたいことがあります。実は配当金の受取方法によってNISA口座でも非課税にならない可能性があることをご存じですか?
今回は「せっかくNISA口座で買付した株式の配当金が非課税にならなかった。」ということにならないように配当金の受取方法についてご説明いたします。

配当金の受け取り方法

一般的に配当金の受取に関しては4つの方法の中から投資家が選択する形になっています。

① 株式数比例配分方式
こちらは証券口座で配当金を受け取る方法です。
例えば同じ銘柄をA証券会社に3,000株、B証券会社に2,000株保有していた場合、配当金は、A証券会社の口座に3,000株分、B証券会社の口座に2,000株分入金されます。



② 配当金領収証方式
発行会社から直接お客様のご自宅へ「配当金領収証」が郵送されます。投資家はそれをゆうちょ銀行もしくは郵便局へ持っていくと、配当金を受け取ることができます。

③ 個別銘柄指定方式
投資家が発行会社に対し口座振込指定をし、指定した金融機関に配当金を振り込むようにもできます。

④ 登録配当金受領口座方式
指定した金融機関口座に入金される方法です。

③の個別銘柄指定方式との主な相違点は銘柄ごとに振込先を設定できるのが個別銘柄指定方式、複数証券会社で株式を保有していたとしても指定した一つの金融機関の口座において、投資家が保有するすべての株式等の配当金を受領することが出来るのが登録配当金受領方式です。

NISA口座で配当金を非課税で受け取るには

さてどの方法を選べばNISA口座で配当金が課税されないかといいますと、①の株式数比例配分のみとなります。
「証券会社で受け取るのではなく銀行で受け取りたい」という方は証券口座のある金融機関に配当金を自動で銀行に振り込む方法があるか尋ねてみるといいでしょう。
ちなみに当社の所属金融商品取引業者である楽天証券とSBI証券では株式の配当金を受け取ったら自動的に銀行口座へ振り込むという設定ができます。
この場合の注意点として、振込元は証券会社となってしまうため、どの株式の配当金かは通帳を見ただけではわかりません。

株式数比例配分が設定できない!?

「株式数比例配分に設定したのに配当金が課税されてしまう。」このような相談をたまに受けることがあります。
「株式数比例配分の手続きをしたのに株式数比例配分にならない」
「株式数比例配分になっているのに配当金が課税されている」
「株式数比例配分にしても設定が変更されている」
という経験のある方は以下の可能性がありますのでチェックしてみてください。

① 株式数比例配分の手続きをした後に別の証券会社で株式数比例配分以外の手続きをした。
株式数比例配分方式は設定すると全ての金融機関で保有している株式に影響します。 ですので、逆に他の証券会社で株式数比例配分方式以外の受け取り方法を選択すると、受取方法が再度変更されてしまいます。

② 配当金の権利付き最終日の後に株式数比例配分方式に変更した。
配当金の受け取り方法は権利付き最終日に設定されている配当金の受け取り方法が適用されます。そのため権利付き最終日の後に株式数比例配分方式の設定をした場合、次に配当金を受け取る時に適用されます。

③ 特別口座に株式が残っている。
特別口座とは株券電子化移行時に証券保管振替機構へ預託されなかった株式の株主の権利を保全するため、発行会社が信託銀行などの口座管理機関に開設した口座のことです。
昔から持っている株券をそのままにしている場合や、相続や親からの贈与等で自身が株主になっていたことを忘れていた場合等、様々な理由でいつの間にか特別口座で株式を保有していることがあります。
特別口座内では原則株式の売買を行うことができません。(単元未満株の買取請求は可)
また、特別口座に株式が残っていると株式数比例配分方式に設定できなくなります。そのため、株式数比例配分方式に設定する手続きをしているけど、なぜかできないという場合には特別口座に株式が残っているのかもしれません。

せっかくNISA口座を開いてもNISA口座の恩恵を受けられていない場合がありますので、まずはご自身の配当金受け取り方法を調べてみましょう。
もしもわからないという場合には金融機関に問い合わせしてみることをお勧めします。
投資レポート一覧

金融商品仲介業者:株式会社ブルクアセット/登録番号:東海財務局長(金仲)第181号

所属金融商品取引業者
・楽天証券株式会社/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
・株式会社SBI証券/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会

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