今流行りのファンドラップ。法人口座で契約することをお勧めしない理由



大手証券を始めファンドラップの預り資産残高が増加しています。



ラップというのは投資家が証券会社等と投資一任契約を結び、運用方針を示したうえで、実際の資産の運用・管理を専門家に任せる金融サービスです。
この運用対象を投資信託に限定しているラップのことをファンドラップといいます。


投資を専門家に一任するサービスですので投資信託に少し似ているところがあります。
投資信託と大きく違う点としては、
① 投資家が、自分の投資方針にマッチする運用方針を掲げるファンドラップを選んで投資する。
②投資信託の信託報酬とは別に運用管理費用等がかかる。
③ ファンドラップは、組み入れられている商品を売買する都度、損益計算が行われる。
等があります。
特にこの中の③については法人に大きな影響を与える可能性があります。

これは専門家が、組み入れられている商品を売買する都度、損益計算が行われるため、損益計上のタイミングが読みにくいという点です。
一般的に投資信託の場合ですと、投資信託の組入銘柄の売買が行われた場合でも投資信託を売買しない限りは基本的に会計上処理の必要はありません。しかしラップの場合は基本的にラップ口座全体を1取引単位と考えず、口座内の金融商品毎に損益を計上していく必要があります。
法人の場合、決算の数字というのは非常に重要になります。
例えば決算期末で急に損失を計上して赤字になる場合や、逆に利益を計上して想定以上に税金の支払いが生じてしまう可能性があります。
個人投資家であれば特定口座(源泉徴収あり)にしておけば良いのですが、法人口座でのラップ契約については経理処理が大変なので注意が必要です。
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