個人投資家が株式に投資する理由は、値上がり益と配当金等の収益だと思います。
値上がり益は状況によって収益どころか損失となる可能性がありますが、配当金の場合は減ったり最悪無くなったりすることはあっても、配当金自体がマイナスになるということはなく長期的に高配当の銘柄を保有するという投資家も多いです。
一般的に小型の成長途上の企業は上がった収益を会社の成長のための投資等に使うため、配当金が少なかったり、無配当であることが多く、逆にある程度の大企業は株式の価値を高めるため配当金を多く出すと言われています。
では長い目で見たときに高配当銘柄への投資は利益となるのか?今回はそんな高配当銘柄への投資について解説いたします。
高配当銘柄の優位性を検証するために高配当銘柄で構成されているS&P/JPX配当貴族指数という指数を紹介します。
この指数はTOPIX構成銘柄の中で時価総額・流動性基準を満たす銘柄のうち、過去10年間にわたって配当水準を維持、または増配した銘柄で構成されています。
さらに細かく説明すると、継続可能性の観点から配当性向が0%以上100%以下で配当利回りが10%を超えない銘柄を対象とし、これらすべての条件を満たした銘柄の中から配当利回りの高い順に40~50銘柄を選定しています。
ちなみに2006年7月31日を100ポイントとして毎営業日指数を算出しています。
構成銘柄は以下の通りで、配当利回りは4%を超える株式が多いですが、時価総額はそこまで大きくない企業も混ざっているといった印象です。
さてでは、これがTOPIXと比較してどのような動きをしたのかを調べてみます。
この指数の基準日である2006年7月31日から配当を含めたトータルリターンで比較してみます。
※2006年7月31日の時点を100とした数値。Quick社のデータをもとにブルクアセット作成。
2006年から約17年でTOPIXは約1.78倍になったのに対して、S&P/JPX配当貴族指数は約3.51倍になりました。
今回の対象指数は単純に高配当銘柄を組み入れているというわけではないのですが、優良な高配当企業をしっかりと選ぶことは中長期の資産運用においては大きな結果をもたらす可能性があることがわかりました。