そこで今回は新NISAがどういった内容なのか?を解説いたします。
① 非課税期間の延長
現行の制度は一般のNISAが最大5年、つみたてNISAが最大20年となっています。ところが新NISAではこの期間が無期限となる予定です。
② 制度の恒久化
現NISAの口座開設期間は2014年~2023年までの10年間と期間が定められていました。しかし新NISAは制度自体が恒久化する予定です。
③ つみたて投資枠・成長投資枠(一括投資)の併用化
今まではつみたてNISAと一般NISAと2つのNISAを併用することは出来ませんでしたが、新NISAでは積立投資の枠として「つみたて投資枠」と現行の一般NISAのような一括投資ができる枠として「成長投資枠」の2種類の枠ができ、それぞれ併用することができるようになる予定です。
④ 投資枠の拡大
現行のNISAで一般NISAは年間120万円を5年で最大600万円、つみたてNISAは年間40万円を20年間で最大800万円までとなっています。これが新NISAではつみたて投資枠、成長投資枠合わせて最大1800万円まで(内、成長投資枠は最大1200万円まで)となる予定です。また年間の投資枠はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円までとなる予定です。
上記のように新NISAは現行のNISAに比べ使い勝手も良く、投資枠も大きく拡大する予定となっています。しかし気を付けなければならない点が2点ほどあります。
① 現行のNISAからロールオーバーは出来ない
2014年~2018年にNISAで投資された株式や投資信託は2019~2023年のNISAの投資枠を使用することで非課税保有期間が過ぎても継続して保有することが出来ました。(ロールオーバー) しかし現行のNISAと新NISAは全く別の制度という形であるため、現在NISAで投資している株式や投資信託等は非課税保有期間が過ぎるとロールオーバーをすることが出来ません。そのため、継続して保有したい場合には一度売却して再度新NISAで買い直しをするか、課税口座で継続保有するかを選択する必要があります。
② ジュニアNISAは廃止される
現在未成年の方向けにジュニアNISAという制度があります。
しかし新NISAは対象年齢が18歳以上と決められているだけでなく、ジュニアNISAのように別のNISA制度があるわけでもないため、現状の予定では未成年の方は課税口座での運用しかできないということになります。
現行NISA
新NISA
※金融庁HPをもとにブルクアセット作成。
※2022年12月16日に与党より公表となった「令和5年度税制改正大綱」によると、2024年1月よりNISA制度が大幅に拡充となる予定です(関連法案の可決を経て成立の見込み)。