世界的にインフレが進んでいることから、今後の金融政策決定会合で金利の引き上げ等の可能性が高くなっています。
こういった金融政策は住宅ローンの金利にも影響しますので、これから住宅ローンを利用しようと思っている方や、現在住宅ローンを返済中の方は気になっている方も多いのではないでしょうか。
固定型と変動型
そもそも住宅ローンには「固定型」と「変動型」があります。これから住宅ローンを利用する予定の方は、この「固定型」か「変動型」かでも迷ってしまいますね。
この「固定型」の金利と「変動型」の金利は、どのようにして決まっているのかご存知ですか?
実は、それぞれ指標にしているものが違います。 「固定型」は新発10年国債利回りが指標になっており「将来の景気見通し」が強く影響しているのに対し、「変動型」は「現在の景況感」によって左右される日銀の政策金利の影響を受けます。
ちなみに現状では、住宅ローンを利用している方の約72.3%が変動型、18.3%が固定期間選択型、9.3%が全期間固定型となっており、変動型が人気です。
※住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」を参考に株式会社ブルクアセットが作成
一般的な住宅ローンの「固定型」は借りたときの金利がずっと変わらないことはご存知かと思いますが、「変動型」は半年ごとに金利が見直され返済額が変わるのは5年ごとということはご存知でしたか?
しかも返済額見直し前の1.25倍が上限となっています。
つまりどんなに金利が上昇したとしても、いきなり支払額が2倍になったりはしません。ただし、これらのルールはあくまでもその時の支払い金額が1.25倍で収まっているだけで、それ以上の支払う予定だった利息は支払いが免除されるわけではありません。
本来支払うべき金額がこれらのルールによって支払額から差し引かれた場合、返済の終盤に一括返済する必要があります。極端な住宅ローン金利の上昇があった場合には月々の返済額よりも利息の方が多くなってしまうことがあります。そうなると住宅ローンの元金が減らないばかりか、支払えなかった利息が蓄積され、支払総額がどんどん膨れ上がってしまいます。この蓄積される利息のことを未払い利息といいます。
最近の住宅ローン金利動向
さて、2021年後半頃から「住宅ローン金利上昇」と目にするようになりましたが、これは「固定型」のことで、実際に上昇してきています。「変動型」は前述のとおり、短期政策金利の引き上げがあるかどうかが注目のポイントになりますが、先日の金融政策決定会合でもそのような動きは現時点では無さそうです。
かといって、永遠に変動型の金利が低いままという保証も無いでしょう。
変動型の金利が引き上げになるのは、マイナス金利政策が終了し、ゼロ金利政策の解除の時と予想されます。
では、ゼロ金利政策の解除のニュースを目にしたら固定型に切り換えればいいのか?というと、残念ながらおそらくその時には固定型も上がっているでしょう。
もし今後金利の上昇を想定されるのであれば、固定金利が低いうちに行動をする必要があるのです。
住宅ローンと上手に付き合っていく
住宅ローンは非常に長いお付き合いのものです。その間には家族に様々な変化があるでしょう。
もしも途中で住宅ローン返済ができなくなったら?と考えると不安になったりもしますが、とにかく早め早めに銀行に相談しましょう。
またそうならないために、あらかじめライフプランを作成して「先手の一手」を打っておくことも大切です。 返済期間はどのくらいが合っているか、病気やケガ等で収入が減ってしまっても大丈夫か?繰り上げ返済の計画をしておくべきか?など、ライフプランを作ると見えてくることがあります。
是非、ご活用ください。