配当ってたくさんもらえる方がいいの?

最近株式投資を始めたのですが、先日保有している株式から配当金が来てとても嬉しくなりました。
そこで、いろいろと配当金について調べたところ、私が知っている会社がとても多くの配当金を出していました。
高配当の銘柄を購入しておけば、定期的な収入になるためもっと株式を買い付けようと思うのですが、高配当株への投資についてアドバイス頂けますか?

IFAの回答

石原 莉里佳

石原 莉里佳

東京支店IFA

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株式投資における配当とは、会社が得た利益の一部を株主へ支払うもので、出資者である株主に利益を還元する手法の一つです。現金で還元するのが配当で、他にもサービスや物品で還元する株主優待という制度もあります。

値上り益は売却しないと受け取ることができませんが、配当金は株式を保有したまま受け取ることができるため、短期間で売買される投資家よりも長期的に株式を保有される投資家の方が人気が高いです。

配当金を期待する投資をする場合、配当利回り(現在の株価に対する配当金の利回り)や配当性向(企業が配当金を出す際の目安となる割合)を気にする必要があります。

配当利回りとは購入した株価に対して一年間でいくら配当が受け取れるかを表したものです。配当利回りが高ければ高いほど多くの配当金を受け取ることができ、現在配当利回りの高い銘柄ですと年率5%を上回るような銘柄もあります。

配当性向とはその期に得た純利益の中から配当金をいくら支払ったかを表したものです。配当性向の高い会社は株主に多くの利益を還元しているといえます。 配当性向は純利益に対する配当金の割合のため、配当性向の高さと実際の配当金は比例しません。つまり、どんなに配当性向が高くても会社が利益をあげられなければ受け取る配当金は増えないのです。

せっかくもらえるものなら1円でも多くもらいたいと思うのが心情。しかし、配当金を出しすぎる会社には注意してください。その理由は3つあります。

①会社が成長に使うお金を減らしてしまう
配当は会社の利益から出ています。会社は成長のために設備の拡充や人員補充のために先行投資を行います。得た利益を投資に回すことで更なる収益拡大を追求するのです。株主への還元となる配当を行うと、投資へ回す資金が減ることにつながるため、収益拡大を抑制してしまうこともあります。

②これからも高配当とは限らない
配当は業績に応じて支払われます。もし業績が悪くて利益が少ない場合は、出していた配当を下げる(減配する)ことも十分に考えられます。配当予想はあくまでも予想であり、必ず支払われると約束されているものではないことも、注意すべきことのひとつです。

③収益以上に配当金を出している会社もある
これが一番怖いことなのですが、企業の中には自分の収益以上に配当金を出している会社も存在します。会社にある内部留保や配当平均積立金から配当をだしているのです。高配当銘柄は高配当であるが故に株を買われています。そのため、配当金を下げることによって株主が離れて株価が下がるのを恐れているのです。一時的な業績悪化で収益を上回る配当金を出すことになったが来期以降に取り返せる企業であれば大きな問題ではありませんが、事業内容によっては注意が必要です。

以上のことから、配当金額や配当性向などの指標だけでなく、その会社の収益体制や業務内容を知った上で投資を行うことが大切だといえます。

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