寅千里を走る? ~2022年寅年の相場~

「寅千里を走る」

辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる 皆様はこんな相場格言をご存じでしょうか?年末年始になると良く耳にする言葉の一つです。辰年・巳年で株価が天井をつける傾向があり、その後丑年には下落、また辰年に向かって上昇サイクルへと向かう、こんな様子を描いた格言です。実際にこの格言通りに相場が動く事は少ないと言われていますが、ひとまず過去5年2016年から日本市場を中心に相場を振り返ってみましょう。

2016年申年

  日経平均 18,450円(1/4終値)~ 19,114円(12/30終値) 年間騰落率+0.42%   年間を通して、荒い相場でした。大発会の1月4日には、日経平均株価582円73銭(3.1%安)、東証一部の9割が下落といった大荒れで、申年にふさわしい幕開けをしました。2月に日銀のマイナス金利導入、6月イギリスのEU離脱(ブレグジット)、そして11月には世間を騒がせた大イベント、米大統領選挙でトランプ氏の勝利などイベントを通過するたびに相場は大きく揺れました。また、この年は株価の他にドル円の為替が大きく動いた年でもありました。

2017年酉年

  日経平均 19,594円(1/4終値)~ 22,764円(12/29終値) 年間騰落率+19.1%   トランプ大統領就任により、株価の上昇期待が市場全体にもたらされ、世界的に株価が上昇基調に入りました。日本国内では、隣国北朝鮮からのミサイル発射を受け、Jアラート発令されるなど、市場に影響を及ぼしましたが、その後10月に衆議院選で自民党が圧勝し、アベノミクスへの期待で年末にかけ、株価は急騰しました。

2018年戌年

  日経平均 23,506円(1/4終値)~ 20,014円(12/28終値) 年間騰落率▲12.1%   米長期金利急騰、米中貿易摩擦の激化により、年初は大きく下落。対立の一服感と好調なアベノミクスを背景に日経平均は続伸。9月には、バブル崩壊後の最高値24,270円を付けます。しかし、喜びも長くは続かず、10月には米ハイテク株の急落により、世界同時株安、12月の年末にかけ、FRBによる利上げ観測でさらに米国から始まる株安が起こりました。

2019年亥年

  日経平均 19,561円(1/4終値)~ 23,656円(1/30終値) 年間騰落率+18.19%   亥固まるという相場とは裏腹に大きく上昇で終わった一年でした。米中の貿易摩擦問題は解決されず、度々相場が揺れるものの、そういったイベントをこなしながらも、米中の好調な景気指標に引っ張られる形で日本市場も上昇しました。年末にはアメリカから中国への一部制裁が緩和されるなどといった要因もあり、大きく上昇し、一年を締めくくりました。

2020年子年

  日経平均 23,204円(1/6終値)~ 27,444円(12/30終値) 年間騰落率+16.0%   皆様も記憶に新しいかと思いますが、とにかく大荒れの年でした。年始から中国の武漢より発生した新型コロナウィルスが猛威を振るい、コロナショックと呼ばれ、世界各所で約30%の同時株安を引き起こしました。東京五輪の延期、GoToキャンペーンの開始など日々、ニュースは新型コロナウィルス関連で埋め尽くされていました。停滞する経済の解決策として、各国が異次元の金融緩和、経済政策を打ち立て、株価は急反発。これをチャンスと捉え、2020年から運用を始めたという方も多いのではないでしょうか。

2021年丑年

  日経平均 27,258円(1/4終値)~   度重なる緊急事態宣言に辟易とする中、株価は好調に推移しました。2月には日経平均は3万円台に乗せ、世界的にも株価は安定しました。国内では1年延期となった東京五輪が開催され、夏場を過ぎると新型コロナウィルスの新規感染者数も減少し、小康状態となります。11月に岸田政権が誕生すると、政策への失望から日本株はやや下落、12月にはアフリカから新種オミクロン株が発生し、新たな波乱要因となるか注目されています。
さて、5年を振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか?干支格言は当てはまる年もあるようですね!

「2022年の相場」

格言通りいけば、寅年の2022年は株としては上昇気流に乗っていける一年なようにも思えます。2022年にはどのような事が起こるでしょうか。

2022年 重要イベント

  • 2月 北京冬季五輪
  • 4月 東証新市場区分へ移行
  • 6月 ドイツでG7サミット開催
  • 7月 参議院議員選挙
  • 10月 中国共産党大会
  • 11月 米中間選挙
  • FIFAワールドカップカタール大会
2022年も新型コロナウィルスの動向に左右される展開が続きそうです。足元では、米国や欧州での物価上昇が進行しており、サプライチェーンの混乱や入荷不足により、一部の品目が高騰することが考えられます。物価上昇は言い換えれば、景気の強さの表れでもあります。一時混乱する事が予想されますが、利上げを織り込みつつ、2022年の株式市場は上昇していく事が期待できます。

【日本】

7月に予定されている参議院選を無事通過すると、次の国政選挙まで最大3年の猶予ができ、運営の安定が期待されます。年明けには、予算案や政策において、新たな発表に注目が集まります。また、出遅れ感の強い日本株にはまだまだ買いの余地があると考えられ、特に2021年は半導体不足に悩まされた自動車産業や直近、東日本を中心に地震などの自然災害が相次いでいることから、対策としての防災・国土強靭化関連には要注目です。

【アメリカ】

民主党バイデン大統領の支持率が低下しており、11月の中間選挙は苦戦することが予想されます。議会の支配政党が共和党になった場合は政権運営が厳しくなることが懸念されます。経済面では数度の利上げは織り込み済みであり、市場に与えるインパクトはさほど大きくはないと予想されます。

【中国】

5年に1度の共和党大会が10月に開催予定となっています。習近平氏の3期目の総書記就任が見込まれており、実現すると異例の長期政権となります。地盤は強固ですので波乱は想定しにくいです。2月の北京冬季五輪も開催予定であり、2022年は中国に注目が集まる事が多そうです。
さて、様々な事が予想される2022年ですが、千里を走る寅のように株価も颯爽と上昇していってくれる事を期待しましょう!
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